書くしかできない

子供、夫、私。過ぎていく日々を書き留めています

子供の暴力について

  先日、下記の記事を拝読し、いろいろと考えました。

今回も「かまってほしかったんじゃない」とか「兄弟がいるとね…」とかどうせ言うんでしょ?と思うわけです。そうやって、子供は悪くないし、親も悪くないって言い訳するんですよ。 結局のところ、暴力的な子供に育っているのは親のせいなんですよね。それ以外あります? というか、親以外のせいにはできないでしょ?ってことです

保育園で娘(3歳)を殴っていた暴力的な子供を公開処刑してしまった話|問題児は誰のせい? - 子育てイルカが笛を吹く

   何も悪い事をしてない3歳のお嬢さんが、保育園で、二人の男の子達から繰り返し叩かれたのを、お父さんが見られて、その男の子達に厳しめに注意した、というのが記事の内容です。お嬢さんは、ずっと以前からその男の子達に暴力をふるわれていて、辛い思いをされていたという経緯もあります。

 このお父さんの気持ちはとても分かるし、私の息子もこのお嬢さんと同じ性質だったので、幼稚園ではよく叩かれていました。その頃の私は、どうしてこの世の中には、何も悪い事をしていない子を叩く子供がいるんだろう?と、悩んでいました。叩くのはやめて、と言っても、叩く子は叩くんですよね。頭のいい子は、巧妙に先生の見ていない所で、叩いたり噛んだりつねったり押したり、まあ色々やります。

 私は、暴力をふるう側の子供の親にはなった事がないので、そういうご父兄の気持ちは分からないのです。だから迂闊な事は書けないのですが、一つだけ確かな事は、暴力をふるわれる側の子供のほうが、切羽詰まった危機的状況になる、という事です。暴力をふるわれる側の子の親のほうが、危機的に困っているわけです。早急に問題が解決される事を望むわけです。一方、暴力をふるう側の子の親は、語弊があるかもしれませんが、それほど困っていないわけです。子供が痛い思いをしているわけでも怖い思いをしているわけでもありませんから。

 勿論、暴力をふるう側の子供にも、何らかの苦しみがあるのだろうという事は分かります。ですがそれは、分かりやすく表面に出ている原因が特定できないので、そのご父兄は、原因に気付かないでいられるのです。「これが原因でこの子は暴力をふるうのだ」というの、誰の目にも明らかに分かる状況なら、ご父兄も、今すぐ何とかせねば、と思うわけですが、たいていの場合、子供が暴力をふるう原因は特定しずらいものです。このブロガーさんがご指摘されているように親の育て方が原因かもしれない、また、子供自身の持って生まれた性質かもしれない、障害かもしれない、そのあたりが普通、ハッキリと特定できないのです。

 でも、暴力をふるわれる側の子供は、今現在、まったなしで辛い思いをしているんですね。痛いですし、怖いですし、悲しいですし、精神的にも追い詰められます。そしてそうなっている原因もハッキリしている(お友達に叩かれる、というのが原因)。親は今すぐに何とかしなくてはならないわけです。

 暴力をふるう側の子の親と、暴力をふるわれる側の子の親の、この温度差がこの問題の解決を難しくしていると思います。

  子供が暴力をふるう原因は一つではありません。親の育て方が適切ではない、というケースだって、その「適切ではない状況」を細かく見て行けば、無数に原因がある。そしてそれを解決するのは、その親にとっては「義務」ではないし「緊急の問題」でもない。なんなら、親ではなく社会の問題に広げざるをえないケースもある。だからなかなか解決は難しいと思います。

 もし発達障害が原因なら、子供に診断を受けさせて、行政に障害児申請を出して、保育園に加配人員を配属してもらう事が可能です。その子専属の保育士を一人つけてもらうわけです。そうすれば、その子が暴力をふるいそうになるたびに阻止する事ができるので、他の子供に安全な環境を確保できますし、またその子自身も、十分に構ってもらえ、自由にふるまえる(お絵かきの時間に1人で外遊びするなども可能になる)のでストレスが軽減します。ですが、子供を障害児だと認めないご父兄も多いし、認めても行政に申請する事をためらうご父兄はもっと多いです。唯一の解決策であるにも関わらず、このハードルを越える親は少数派です。

 となると、暴力をふるう子供にやめさせる事は、現実問題、かなり困難だ、という事になります。私の息子も、中学生まではたまに苛めにあっていました。エスカレートする前に、様々なアプローチで大事には至らないよう対処し続けてきました。幼児なら叩く蹴るですが、成長するに従って内容も変わって来ます。息子は一度、柔道の技をかけられて骨を折られそうになった事があります。首もくじきました。やっている方はふざけ半分でも、やられる方は命に関わる場合があるのです。この程度なら大丈夫だろう、の、この程度が不確かで危ない、それが子供です。幼児の「押し」ですら、滑り台の上でやられたら本当に危ないのですが、押している子供は遊び半分のつもりなのです。

 他者を傷めつけたい欲を持っている人は、一定数存在します。原因は様々です。そして解決は困難です。幸い、息子は高校生の今は、誰からも苛められる事はなくなりました。ありとあらゆる工夫をし、手を打ってきたからだと思います。それでも完璧とは程遠い。大人の世界にも「他者を傷つけたい欲」を持つ人は、一定数存在します。これからも用心していかねばならないと思っています。

 上に紹介した記事のブロガーさんが、素晴らしいなと思ったのは、何はともあれ、お嬢さんを守ろうとされた事です。子供が苛められていても、それを目の当たりにしても尚、見て見ぬふりをする親は本当に多いのです。「いじめではない」とか「うちの子も悪い」とか「子供は叩かれて叩き返して、そうやって子供同士で育っていくものだ。大人の出る幕じゃない」とか、そういうもっともらしい言い訳をして、我が子の苦しみから目をそらす親御さんが本当に多い。

 でも上のブロガーさんは、お嬢さんが叩かれたら、すぐに叩いてきた男の子に「止めなさい」と言われました。「何があろうとも、叩くほうが悪い」とハッキリ言いました。そうやって、お嬢さんを守りました。素晴らしいと思います。お嬢さんは、このお父さんになら、何でも悩みを打ち明けるでしょう。困ったことがあったら、隠さず親に言える子供になるでしょう。なぜなら、親を信頼できるから。親を信用できるから。

 暴力をふるう子供に、暴力をふるわれた側の親が、それをやめさせる事は現実問題困難です。でも、暴力をふるわれた側の親が、諦めずに子供を守り続けることは、その場その時には対して効力を発揮しないように見えても、子供の心に「親への信頼感」として、しっかり根付いていくと思います。そういう風に守られた経験を持った子供は、成長した後も、親への信頼感を失わずにいられます。それが救いだと私は思います。