書くしかできない

発達障害、神社仏閣、読書記録、日々のつぶやきを主に書いています。

発達障害児の良いところ(2)

 引き続き、発達障害児である息子の、良い面を書いていきます。

 

④物欲がない

 小さい頃から息子は私に「アレ買って」と言った事がありません。モノを欲しがらない子供なんです。欲しいのに我慢しているのではなく、もともと物欲がほとんど無いようです。なので息子の部屋には、不必要なものが何もありません。いつも気持ち良くスキッと片付いています。モノで溢れている夫の部屋とは雲泥の差。服は制服以外は、外着と部屋着兼用になる着心地のいいスウェットやTシャツだけで、それも気にいったものだけ。必要最低限の同型色違いを揃えてそれ以外は欲しがりません。本は時刻表や地図だけ。それも気にいったものだけを揃えていて、それ以外は欲しがりません。ゲームはしません。息子の部屋を見るたびに、この子の頭の中は、この部屋と同じように、いつもスキッと片付いているのだろうなあと思います。息子のようなタイプの発達障害児は、究極のミニマリストなのだろうと思います。

 

⑤約束を守る

 彼は、他人に対しても、自分に対しても、一旦決めた約束事は、必ず守ります。誰が見ていようと見ていまいと、守ります。彼の中でそれは「当たり前のこと」なのです。だから、息子と約束をしたら後は安心しておけばいい。約束を破られる心配は皆無だからです。「必ず約束を守る子」という周囲から頂いている信用は、彼にとって大きな財産になっています。また、自分自身との約束も守るので、生活が乱れません。グズグズにならない。時間が来れば淡々と勉強を始め、時間がくれば淡々寝ます。それが苦になるようなら可哀想なのですが、全く苦になっていないのです。自分との約束を守る事は、普通の人間にはなかなか難しい事です。私など、ダイエットしようと決めても、ついつい食べてしまったりしますが、息子の場合、もしダイエットしようと決めたとしたら(痩せ体型なのでまずないことですが)、確実に実行するでしょう。そしてそれを、苦にも思わないでしょう。

 

⑥基本設定が「ほがらか」

 息子は不安感が強い子なので、一旦何かが気になると、延々それを気にし続けて私に安心させてもらいたがります。この相手をするのが、なかなかに大変なのですが、ただ、不安感が出ていない時の息子は、とても穏やかで感じのいい子です。穏やかというか、ほがらか。常にニコニコしていて、何を言われても、されても、ちょっととまどったり困った顔をしたりはしますが、怒ったり泣いたりキーッとなったりしません。ニコニコ楽しくしているのが、息子の基本設定かのようです。そういう彼を見ていると、こちらまで楽しくなってくるし、何よりも安心できるのです(だからこそ、不安感に陥った時の彼との落差が激しく、私には辛いことなのですが)。

 

⑦気持ちを溜めない

 彼は、思った事は口に出します。ポジティブな事だけでなく、ネガティブな事も、何でも口に出します。それが他人を不快にする事もあるので、後付の訓練で「こういう事は思っても、口に出してはいけない」ということを教えこみました。かなり時間がかかりましたが、今では息子はパーフェクトにそれを覚え、守っています。

 ただ、ネガティブな事でも言ってもいい事は沢山あります。基本自分のことに関する失敗話、困った話などは、言っても構わないと息子に教えました。普通の人間は、恥をかきたくない意識が先に立ち、自分の失敗話などはあまり言わないものですが、息子には「失敗したから恥ずかしい」という意識が全くありません。劣っている=恥ずかしい、とか、失敗した=恥ずかしい、という概念が息子には全くないのです。なので、喜々として自らの失敗を話し、笑ってもらって喜んでいたりします。困っている事もそのまま言うので、助けてもらいやすいです。弱みを平気でさらけ出すので、敵を作りません。いずれにしても、気持ちを溜めこまないので、溜め込むよりはストレスがたまりにくいようです。

 

⑧我慢強い努力家

  息子の中には「我慢する、努力する」という事が、基本設定として入っているように思います。いい加減で終えるとか、サボる、誤魔化す、という事がありません。「我慢しなきゃいけない」「努力しなきゃいけない」と思ってそうしているのではなく、当然のように呼吸をするように、きちんと最後までやろうとする人なんです。要領も悪いし、私が方向性を調整してやらないとおかしな方向に頑張ってしまったりもするので、そこが困りどころではあるのですが、自然に頑張れるという事は、良い特徴だなと思います。ただ、自分の限界を超えて頑張ってしまう危険もあるので、ストップをかける事を覚えさせないといけないと思っています。今のところは、私が細かく見て、限界を超えさせないように気を付けています。

 

 息子のよいところ、書き始めると色々出て来ました。しんどいことも沢山あるのですが、よいところも結構あるなあと改めて思います。が、書いていて気づいた事があり、それは、どれだけ細かく事実を書き連ねても、息子の実像には近づけないなあという事です。これを読んだら息子はまるで、聖人君子みたいですが、実際はまったくそんな事はないんです。全くナマの人間なんですが、特徴を書き連ねると、現実味のない聖人君子風になってしまいますね。