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書くしかできない

子供、夫、私。過ぎていく日々を書き留めています

発達障害児に勉強を教える~その⑤(数学)

 息子にどのように勉強を教えていたのか、各教科ごとに書いている。今日は数学について。

 数学はマンツーマンの塾にも行かせているが、塾は「問題を解く回数を増やす」という程度にとらえ、実際に血肉になる部分を教えるのは私しかいない、という覚悟で取り組んだ(一斉授業である学校は残念ながら問題外なので)。塾の先生はとても優秀で親切な方ではあるが、発達障害児を教えた経験が皆無な大学生。通り一遍の教え方では、息子の頭には入っていかないからだ。

 私自身が数学は苦手だったので、まず、私がしっかり勉強する必要があった。その日教える部分について、前もって予習し、一通り理解した上で、どうやったら息子に分かりやすく説明できるのか、を考えメモを作った。特に息子が苦手する図形と文章題について、アプローチ方法を練る必要があったからだ。

 

私の予習

①前回紹介した教材「まるごと」の、該当単元を読み理解する。出てくる例題、確認問題も全部も解いてみて、ひっかりそうな部分、ロジックに飛躍があり理解が難しそうな部分をチェックしておく。

②「まるごと」でチェックした問題は、前回紹介した教材「くわしい」の参考書で、より分かりやすい説明を探しておく。また、同じく「くわしい」の問題集で、類似問題を探して解いておく。

③該当単元に対する、息子への導入、説明方法を考えメモを作る。

 

息子に教える

①「まるごと」と、私が作ったメモをもとに、該当単元を教えていく。

②「まるごと」の例題、確認問題を解かせ、ひっかかる所を説明。繰り返し解かせてひっかかりがなくなったら、「くわしい」の問題集で、類似問題にあたらせる。こちらも、ひっかかりがなくなるまで、丁寧に繰り返しやる。

 

 以上です。

 

 数学は、英語に比べて手数が少ない分シンプルなのだが、だから教えやすいというものではなかった。一つひとつの問題を解くのに、時間がかかるからだ。息子の場合、公式を覚えるのは一瞬だし、計算問題は計算機のように早く正確なのだが、それを文章問題に落とし込んで解いていくのに時間がかかる。つまり、文章の意味を理解するのと、覚えた公式のどれを記憶から引っ張り出して利用するのか、でつまづく。

 文章問題はとにかく数をこなす、というやり方もよく聞くが、私はその前に、まず一つひとつ息子が納得できるまで、時間をかけて考えさせる、という方法を取った。1つのパターンが理解できたら、すぐに次の問題に移るのではなく、理解できたそのパターンの類似問題をいくつも解かせる。最初は、1つの問題の答えまで納得して辿り着くまでに1時間かかる事もあったが、類似問題を繰り返しやっているうちに、数分で解けるようになる。そこまで定着させてから、次の問題へ進む。そういう方法で勉強した。

 だから本当は、色んなパターンの問題が次々載っているのではなく、1つのパターンの類似問題がまとめて載っている問題集が欲しかったなあと思う。でも、そういう問題集は見つけられなかったので、私が手作業で探して、息子に提示していくしかなく、それに時間と手間が結構かかった。それと、息子にさせる問題はすべて、私が前もって解いておかねばならなかったので、予習にもすごく時間がかかった。

 面白いもので、ここまで徹底して勉強してみると、私ですら数学は楽しくなってきた。数学の問題が解けた時の「わ、解けた!」という瞬間の喜びというのは、凄い。これが英語の問題だと、答えが書けたところでいちいち嬉しいわけではなく、結果的に良い点がとれたという事に、喜びを得られるだけなのだ。数学というのは、一問一問解けるたびに、「わ、解けた!」という歓喜が得られる教科なのだと改めて分かった。最初の頃は億劫だったが、だんだんと数学の予習をする事が、パズルを解くようで楽しくなってきた。半日ずっと数学の問題に取り組んでいて、あ、と気づくと日が暮れていた(どれだけ苦手なんでしょうか)という時もあったが、独特の充実感で心地よかった。息子のおかげで数学の楽しさが理解できて(ど素人なりに、という意味ですが)嬉しい。息子はもともと数学は好きなので、英語とともに数学が得意分野になり、息子の自信に繋がった事もあわせて嬉しかった。