書くしかできない

発達障害の息子、夫、私。過ぎていく日々を書き留めています

強い、という事

 前回の記事で、母の悪い面ばかり書いてしまったので、バランスを取る意味で、母の良い面を書いておく。

 母の良い面は、一言でいえば「強い」事だ。その強さは多分、プライドの高さから来ていると思われる。プライドが高いので自分が負ける場面を絶対に作らない。その為、母の動きは強引なほど素早いし力技だ。そしてどこまでも意地になってやり抜く。

 父が自動車事故に遭って少しウツ気味になった時も、父にひきずられて母が一緒に落ち込む事はなく、意地でも父を支え子供を育てて日々を送った。相当面倒な舅姑もいたが、母自身が心を病む事もなく、父と離婚する事もなかった(一度大病はしたが)。母と同じく嫁の立場で父の兄弟に嫁いだ女性がいたが、あっという間に離婚して逃げ出した事を思えば、母の強さのほどが分かる。

 私は基本的に、グズグズ言い訳だらけで被害者ぶる人より、傲慢でも我が強くても言い訳しない人のほうが好きだ。自分を棚に上げて他人をジャッジする人よりも、自分も一切反省はしないけれど他人をあれこれ言わない人が好きだ。母は、どちらかというと後者なのだ。だから私は、どちらかというと、母が好きだ。

 母はとにもかくにも子供を育て上げ、80近くなっても元気で一人で暮らし、体にどこも悪いところもなく頭も冴えわたっている。強さだと思う。父も稼ぐ人だったし、母自身にも実家からの財産があるから、晩年になっても金銭的に困る事もなく、広く景色のいい便利なマンションで、友達も多く、趣味三昧で悠々自適に暮らしている。子供や孫にはことあるごとに大盤振る舞いでお小遣いを配り、「おあばちゃん、おばあちゃん」と慕われている。

 少し前に書いたかもしれないが、私は、ある年齢を超えれば、その人の人生はその人が選択して選んできた結果だ、と思っている。これだけ幸福な晩年を過ごせているという事は、母がその人生で選んできた一つひとつ選択が、正しかった事の証拠だと私は思う。